Webサイトリニューアル時にドメイン設定を行うケースはとても多く、その設定はとても重要な作業です。
そして、多くの方々がドメイン設定のミスをしないように入念な事前準備をして、Webサイトリニューアル当日を迎えているかと思います。
しかしながら、Webサイトリニューアル公開日当日に設定変更する内容を準備していても、 公開日より前にしておくべきドメイン設定があり、それを忘れていることが多くあります。
その変更をしておかないと、Webサイトリニューアル当日の作業時間が大幅に長くなってしまうという問題が生じてしまいます。
本記事では、Webサイトリニューアル公開日前にしておくべきドメイン設定(DNS設定)について解説します。
Webサイトリニューアル公開日前にしておくべきドメイン設定(DNS設定)
Webサイトリニューアルの公開日前にしておくべきドメイン設定(DNS設定)とは、リニューアル当日にドメイン設定変更する予定の変更対象レコードのTTLを短くするということです。
そもそも、TTLについて知らない方もおられるかと思いますので、簡単にTTLについて解説します。
TTLとは何か?
JPRSの用語辞典によれば、TTL(ティーティエル)とは
Time To Liveの略称。
https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0136
DNSにおいて、リソースレコードをキャッシュに保持してもよい時間を秒単位で示す31ビットに符号化された整数で、ゼロまたは正の値(0から2147483647の値)を取ります。
TTLをゼロに設定した場合には、キャッシュしてはならないことを意味します。
たとえば、以下のようなリソースレコードがあったとします。
www.example.jp. 3600 IN A 192.0.2.1
2番目の「3600」がTTLで、この例では、このリソースレコードを受信した側では最大で3600秒(1時間)キャッシュしてよいということを示します。TTLはキャッシュに保持されたのち減少していき、ゼロになると当該リソースレコードがキャッシュから削除されます。
とあります。
ざっくりいえば、ドメインの設定を変更して、その設定変更が反映される時間のことを指しています。
つまり、この時間が長いほどドメインの設定変更をしても、その設定が反映されるまでに時間がかかるということです。
TTLを短くしない場合はどうなるか
既にお気づきの方も多くおられるかと思いますが、TTLが長い場合は、当日ドメイン設定を変更しても、その変更が反映されるまでに時間が多くかかります。
例えば、Webサイトリニューアルの例として下記の状況を考えてみましょう。
- Webサイトリニューアル後もFQDN(サブドメイン+ドメイン)は同じ
- Webサイトリニューアルに伴いサーバの変更を行う
- サーバの変更に伴い、IPアドレス(Aレコード)も変更する
Webサイトリニューアルに伴うサーバ変更はよくあるパターンではないでしょうか。
このような場合におけるWebサイトリニューアルに伴う当日の作業は次のような形が一般的でしょう。
- ドメイン設定を実施して、現行のWebサイトのサーバのIPアドレスから、新しいサーバのIPアドレスに変更(Aレコードの変更)
- リニューアル後のサイトにアクセスできるようになり動作確認
- 動作確認後問題なければ、Webサイトリニューアルの公開完了
TTLを短くしていない場合は、ここでいう1番から2番の作業に移るまでに時間がかかることとなります。
TTLの確認の仕方
非エンジニアでも確認できる方法としては、そのドメインを管理しているネームサーバの管理画面を確認しましょう。
コマンドラインで確認する場合は、以下のコマンドでTTLを確認することができます。
# www.example.jpは確認したいFQDNを指定 #Aのところは確認したいレコードの種類を入力 #@ns.example.jpはネームサーバを指定 dig www.example.jp A @ns.example.jp
まとめ
Webサイトリニューアル当日までに、変更対象ドメイン設定のTTLを忘れずに短くしておきましょう。